■曽我さんの夫、ジェンキンス氏の訴追問題

 7月8日にインドネシアのジャカルタで北朝鮮の家族と1年9ヶ月振りに曽我ひとみさんは再会が実現した。大変喜ばしいことだが、後はアメリカの脱走兵の罪に問われているジェンキンスさんの訴追問題が難問として残っている。再会するときの感動的なシーンをメディアに配信させ、アメリカの世論に救済を訴えようとした日本側の意図が働いたとの噂もあるが、何とか道を開きたいとの関係者のアイデアの結果ではないかと思う。個人的な意見ではあるが、今から40年ほど前にジェンキンスさんは純粋な気持ちでマルクス・レーニン主義の理論に基づく社会主義国家の北朝鮮に憧れを持って入国したのではないだろうか。これはあくまで想像もはいるが、でも現在は決して理想の社会主義国家からかけ離れた北朝鮮には愛着も未練もないのではないだろうかと思う。遥か依然にこの点に気づいたと思うが一度入国した以上は自由がきかず、年数を重ねてきたのではないだろうか。これは、在日朝鮮人や日本人妻たちが理想の国家として憧れて北朝鮮に渡ったが、実際には悲惨な状態だったというはなしと似ている。
 脱走というのはアメリカにとって重罪だとは思うが、入国したけれど裏切られ長い歳月を費やしたということ自体が刑罰にも値するのではないかと考える。横須賀の一部の米兵がインタビューで同様の意味から老体で健康も害しているのなら免罪にしてもいいのではないかと言っていた。私も同様な考えをもつものであるが、いかがでしょうか。
 また、小泉首相が直接本人を説得して日本へ帰国させたにも拘わらず、アメリカに引渡しを要求され刑罰を与えられ、また家族が別れ別れになった場合には、日本国内において小泉首相への風当たりが強くなる可能性もある。参議院選挙も接戦ではあるが敗北し、窮地に立っている小泉政権でもあるのでアメリカも本来の主張を貫くことは出来ないのでと思う。

(2004.07.18)
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